アメリカでのMBA出願 〜私の場合〜

エッセイ


エッセイは出願者の魅力がわかる書類であり、大学側が出願者に興味を持つか持たないかが決まってしまいます。したがって、GMAT等のテスト結果より上位に位置するものと考えて良いでしょう。例えば、エッセイで大学が興味を持った出願者は、たとえGMATの点数が悪くても取りたいと思うでしょうが、エッセイで魅力を感じてもらえなければ、GMATで高得点を取ってもただの「点取り虫」と取られてしまうかもしれません。したがって、人間性や考え方が十分盛り込まれたエッセイを練り上げる必要があり、自分の人生を振り返りながら深い文章を書くことが重要です。また、英文の言い回しなど、日本人には慣れていない部分も多いと思いますので、信頼できる人に見てもらうとより良いものになるでしょう。





エッセイに謙遜は必要?

答え:全く必要ありません。
頭でわかっていても、文章に謙遜した表現を無意識に使用しがちです。しかし、アメリカでは謙遜した表現は自信の無さの現われと取られてしまうので、注意が必要です。

私の場合
仕事上の成功事例を、「各部署の協力のお陰で新製品の開発はなんとか間に合った」と書いていたのですが、「自身が手掛けた新製品開発は予定通り成功した」と訂正されました。



エッセイと作文の違い

エッセイでは出願者の成功事例を書くことが多いですが、その事例の背景はほとんど書きません。大学側にとって重要なのは、出願者は何ができ、どんなことを大学に提供できるかです。その成功事例がMBAに何をもたらすかが知りたいのです。

私の場合
私の仕事はエンジニアだったので、事例が専門的でした。専門用語の説明や商品の概略説明を書きましたが、先生の手によって全て削除されてしまいました。私自身を深く知るためのエッセイに、こういった説明は必要ないということでしょう。



大学側が求める事柄

重複しますが、大学側にとって重要なのは、出願者が大学に何をもたらすかです。特に、出願者の成功事例は、同じ種類の成功を大学にもたらす、と大学側に期待させます。本人にとっては失敗事例から学ぶ事も多いと思うのですが、失敗事例を書くのは避けた方が良いようです。

私の場合
大学時代、クラブの幹部をしていて、色んな失敗からリーダーシップの大切さを学んだ事を書いたのですが、全て削除されました。色んな失敗を通じて成功があるので、失敗はある意味、成功より大切だと思ったのですが、私が何を学んだかが重要なのではなく(私が主体)、その学びが大学にどんな恩恵を与えられるかが重要だったのです(大学が主体)。



エッセイってどれぐらい時間がかかるんだろう?

英語力、作文能力、人生について深く考えているか、などエッセイが要求する能力は範囲が広く、テーマが深いので一概には言えません。ただ、自分の魅力をエッセイに盛り込む必要があるので、良いエッセイを書こうと思ったら、最低2ヶ月かけて練り上げることになると思います。

私の場合
理系の私にとって、作文ほど嫌いなものはありませんでした。しかも、じっくり自分を見つめ直すことを怠ってきた私にはエッセイは非常に厄介でした。何も進まないまま1ヶ月が過ぎた時期もありました。テスト勉強に逃げた時期もありました。結局、エッセイに3ヶ月を費やすことになりましたが、親身になってくれたコーディネーターのお陰で良いエッセイになりました。



職歴について

大学側が興味を示すのは出願者の実績でしょう。したがって、職歴は重要なファクターであり、これを如何にうまく伝えるかがエッセイで問われるところだと思います。また、MBAでは他業種の人と意見を交換することが多いと思うので、実務経験が多いほど入学後に吸収できるものも大きいでしょう。

私の場合
職歴6年、、、これは私の有利な点でした。これだけ働けば、エッセイで書くこともありますし、特許出願等、他の出願者と差別化を図れるレジュメを書くこともできました。ただ、エンジニア一筋だったので、ビジネスの実務経験は無いに等しいです。それでもMBAから学べるものは大きいと思いますし、MBAに貢献できるものも必ずあると確信し、MBA出願を決意しました。