バハカリフォルニア キャンプ旅行 -メキシコ- ( 2004年8月14日〜8月17日 ) |
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アパートから車で30分南へ行くとフリーウェイの終点に着き、その先はメキシコ。
国境の先には、メキシコの国旗、そして、小高い山々を埋め尽くすようにたくさんの民家が見える。
メキシコ入国前に国境手前に何件かあるメキシコの保険代理店で車両保険に入っておいた。
メキシコでの滞在が72時間以内なら、普通に車に乗ったまま国境のゲートを通過するだけで入国できるらしい。私たちは4日間の滞在予定なのでイミグレーションでツーリストカードという用紙に必要事項を記入しスタンプをもらってから入国した(イミグレーションへは、ゲートの一番右端にある別のレーンから行けた)。
ゲートの先にはメキシコのティファナという街がある。街の趣がサンディエゴとは随分違う。お土産屋さんがずらりと並んでいて、店のおじさんたちはハンモッグやラグなどを持って、車道までガンガン押し寄せてくる。そして車に乗ったまま買っている人もいる。
海を見ながらMEX1Dという有料道路を1時間ほど南下すると、崖から海を見下ろせる素晴らしい絶景が現れる。
今日は、このSalsipuedes(サルシプエデス)という所でキャンプすることにした。
●キャンプ場情報●
・場所: Salsipuedesに入って最初に見えたキャンプ場
・料金: $8(USドル)
・付近の道路: オフロード(多分ウルトラ級)
・客層: アメリカ人サーファー、メキシコ人ファミリー
・ビーチへのアクセス:
普通の子連れファミリーには危険すぎる
・景色: 素晴らしい
・設備: シャワー(冷水)、水道1ヶ所、
トイレ(汲み取り、タコス屋台一軒、
各キャンプサイトにかまど(?)1個
・感想: 利用者のマナー悪く、ゴミ多し。
若いアメリカ人サーファー達の大騒ぎによる騒音が半端じゃない。
日本人には少し衛生条件が厳しいかも知れません。
家族連れにはオススメできないキャンプ場でした。
・晩御飯:うどん入り豚汁
サルシプエデスから少し南にあるEnsenada(エンセナーダ)という街へ。
Kazuがアダルトスクールのクラスメートからロブスターの美味しいレストランを教えてもらったらしいので、そのお店へ行ってみることに。
Mariscos Bahi A Ensenadaという名前の、感じの良いレストランだった。
1/2カットのロブスターの他、何種類かの魚料理がコンボになったメニューを注文。美味しかった。
店内には、各々楽器を持ったおじさん4人衆が、テーブルを回っていて、
一組のカップルが「一曲よろしく」と頼むと、4人のおじさんは、いそいそとテーブルを囲み、ミニ演奏が始まった。Kazu一家には贅沢すぎるランチだった。
その後は、ラ・ブファドラという岬まで行き、時折水しぶきを上げている入り江を見た。入り江にはたくさんの観光客が、いつ来るか分からない一瞬を辛抱強く待っていた。
かずよは、待つことと人ごみが苦手だ。入り江よりも道中にずらりと並んでいるお土産屋さんの方が目に楽しかった。
揚げたてのチュロスがあちこちで売られていて、いい匂いについフラフラ〜と近寄ってしまう。
するとすかさず店の人が試食をすすめてくるので遠慮なく頂戴したら、
さあ買え、それ買えと、チュロス屋も必死で攻めてくる。
買わなかったけど、おいしゅうございました。
ちなみにラ・ブファドラの近くも太平洋の景色が素晴らしく、キャンプ場がいくつもあった。
キャンプ場へ戻る前に初めての給油。
メキシコの給油所は、国営のPEMEXのみで選択肢はない。店員さんが給油と簡単な窓拭きをしてくれる。支払いを終えてレシートを見てみたら、およそ1.5倍のレートで請求されていた。
何故かというと米ドルで支払ったからである。
全米一高いカリフォルニアのガソリン代より高いではないか。あ〜あ、やっぱり面倒臭がらずにペソを用意しておけば良かったか、とも一瞬思ったけれど、イマサラしょうがない。
それより事故も故障もなく、車が順調に走ってくれていればそれが一番さ。
キャンプ場へ戻って、今日の晩御飯はツナマヨパスタ。
お腹いっぱい食べてとっとと寝た。
今日は、カリフォルニア半島の西海岸から東海岸へ移動することにした。
エンセナーダから出ているMEX3号は山越えのルートだった。
しっかりしたガードレールもないような山際の道を進んでいく。
途中崖を見下ろすと、転落してそのまま放置されている車が時々見える。
そして、道路わきには小さな十字架が立てられていたりする。
山を越えて、下り坂になると、広大で緑が美しい平原の中をまっすぐ走るルートに変わり、
そのうち、サボテンがにょきにょきと生えている山々が見えてくる。
雑貨屋などでプランターに可愛く植えられているサボテンしか見たことがなかった私は、この風景にちょっと感動した。
途中、銃を抱えた物々しい兵隊さんたちがいる検問所を通過した。
「どこから来たのか?」「どこへ行くのか?」「バケーションか?」と、簡単な質問をされただけだった。
そうこうしているうちに、正面に海が見えてきた。西海岸のエンセナーダから3時間で東海岸に到着。
2つ目の検問所を通過し、南のサンフェリペという街へ向かった。
サンフェリペについてまず驚いたのは、西海岸と違って気温がかなり高いことと、強烈な湿気。
車から降りて、数分も経てば汗がどんどん吹き出してくる。
とりあえずビーチへ行ってみると、少し緑がかった綺麗な色の海だった。
海がこんなに綺麗なのに、ゴミがあちこちに落ちていたのが残念。
宿探しはちょっと大変だった。英語が全く通じないし、部屋を見せてもらうと、設備が予想以上に悪かったりしてなかなか決まらなかった。でも、ビーチから少し離れた場所を探してみたら、英語が通じてエアコンやテレビも問題なく使える、なかなかいいモーテルを発見した。部屋も綺麗だし料金も1泊1室45ドルと安かったので即決定。
娘をビーチで少し水浴びさせた後、レストランを探した。
レストランはビーチ沿いにたくさんあるのだけれど、どの店も閑散としていた。
現地の人にもこの気候は厳しいらしい。
どのお店の人も皆、魂が抜けたような顔で椅子に腰掛けながらお客を待っていた。
カリフォルニア湾に昇る朝日はとても綺麗だったが(冒頭の写真)、サンフェリペは気候が過酷なので、早々に立ち去ることにした。
MEX5号を一直線に北上して、MEXICALI(メヒカリ)という町からアメリカに入国するルートで帰ることにした。
昨日も見た白い海岸を遠くに眺めながら「あそこまで車で行けたら面白そうなのに」と思いながら、どんどん北上する。
白い海が見えなくなるとすぐに辺りのの景色が一変して、サボテン山がたくさん現れる。
サンフェリペからアメリカへ向う道は、サボテン山→岩山→砂丘と、10k〜20km程ごとに景色がガラッと変わる。砂丘を過ぎると砂漠地帯に入る。地平線が見えるくらい、どこまでも平地が続いていて、あまりの暑さで地平線沿いには蜃気楼が出現していた。この灼熱の平原を走っているときは、「どうか車が故障しませんように・・・」と思わず拝んでしまった。ここでも時々、放置された車と、小さな十字架を見かけた。
こんな日陰などひとつもない砂漠の真ん中で車が動かなくなってしまったら何時間生きていられるだろうか、と考えると、まじで怖くなってくる。
砂漠地帯を30分ほど走ると景色は急に湿原に変わり、川や民家、畑も見えてきた。
そして、2時間ほどドライブで、アメリカへの国境があるMexicali(メヒカリ)の街へ着いた。アメリカのスーパーやレストランがたくさんある。国境を越えた先は、カリフォルニアのElCentro(エルセントロ)という街だった。エルセントロからサンディエゴへは2時間以内で着いた。
バハで走ったルートは自然の景色が素晴らしかったが、東海岸のあの灼熱地獄で、オーバーヒートやパンクでもしようものなら大変なことになっていたと思う。
真夏に西海岸から東海岸へ抜けて北上という今回のルートは、おすすめとは言い難いものがある。
サンディエゴのすぐ隣なのに、国境の先には全く趣の違う世界があった。
無事帰って来れたから言えるのだけれど、これはこれでなかなか思い出深いドライブ旅行だったかな。